第3話Femme de ma vie ~Homme de ma vie <3>「揺、元気にしていたかい? しばらくメールを出さなかったから寂しくって泣いてたかな? 実はここ数日メールをしなかったのは、 僕のメールが君の負担になるような気がしてきていたからなんだ。 最初は返事をくれなくても僕のメールを読んで元気になってくれればと思って毎日書いていたけれど、 そんな思いがわきあがってきて僕は今日「君」になって考えてみた。 そしてここ数日の思いがやはり正しいという結論に達した。 もし、僕が今の君と同じ立場であったら、 きっと今の君の思いと同じ気持ちだと思う。 だから、僕は君の事を大切に思い心配はしているけれども、 あえてほっておくことにした。 まあ、「可愛い子には旅をさせろ」ってところだ。 送り出す親はとても心配で辛いけれど・・・ 君が何かを得て成長することは僕たちの成長に繋がることを信じている。 僕のことを気にすることなく大いに自分のやりたいことをやっておいで。 その間、僕も僕を必要としている人たちと共に仕事をして僕なりに成長しておくよ。 君に負けないように。 寂しくなったら朝でも夜中でも電話しておいで。 望むところだ。 では、また後で会おう。 今日はベッドで待ってることにするよ。(*^_^*) そうそう、フランス文化親善大使のニュースは届いたかな? 君がいちファンとして楽しみにしていると言ったから、 今後の僕の予定は特別には教えてあげないことにした。 ファンクラブのお知らせでチェックするように。 君の恋人より」 メールを打ち終え、送信するとビョンホンは大きくため息をついた。 こんなにカッコよく書いてみたものの、 本当は彼女に会いたくて仕方がなかったから。 こんなメールを書いたのは「男の意地と決意」だったのかもしれない。 彼は今までの恋でこんなにも相手に合わせようと努力したことはなかったと感じていた。 いつも彼の恋は彼主導だったから。 ある意味、恋に関して彼は傲慢だったといえる。 彼が会いたいときに会う。それが当然だった。 そして彼の思い通りにならない時は別れが来ることもよくあることだった。 揺はビョンホンが「待とう」と思えた初めての女性だった。 (今度ばかりは失うわけにはいかないんだ。) そう思いながらも初めての形の恋を前に自分に自信の持てない彼はまたひとつ大きなため息をついた。 |